リレーインタビュー第67回 柴田大(おおき)さん(後編)

03.01

「コーチ道リレーインタビュー」では、指導者の先達である方々、指導者として現在ご活躍の方々のインタビューをリレー形式でご紹介しています。今回のインタビューは、ナショナルスノーボードデモンストレーターの柴田大さんです。

 リゾート関連の会社に入社しスキー場の仕事についたことをきっかけに25歳からスノーボードに本格的に取り組み始め、主に指導者を対象にした全日本スノーボード技術選手権大会で活躍、選考会を経てナショナルスノーボードデモンストレーターに認定されました。

 夏はゴルフ、冬はスキー、スノーボードができる環境で働きながら、デモンストレーターの活動を行なっている柴田さん。常にお客様に寄り添うことを心がけ、何よりも人とのつながりを大切にしていると言う柴田さんのお話を3回にわたってご紹介します。

(2025年12月 インタビュアー:松場俊夫)

前編はこちらから↓
https://coach-do.com/interview/67-1/

中編はこちらから↓
https://coach-do.com/interview/67-2/

▷ 柴田さんにとってスノーボードの魅力は何でしょうか。

今私がやっているスノーボードは競技ではないことで救われているような気がします。本格的に始めたのが25歳でしたから、もし競技のような高所からジャンプしたりダウンヒルを滑走するということになると、年齢的にも少し遅いと思います。でも教育という基礎の部分に関わっていることで、その年齢からも突き詰めることができて、その上の世界に触れることが可能性としてあります。スノーボードを通じて、全国各地から集まる様々な方に出会えることもとても嬉しいです。

SNSも元々は苦手だったのですが、情報を得ることができる、と友人に勧められて始めたことがきっかけで、発信を強化していく中でメーカーさんの目にとまり、サポートがつくようになりました。世界が広がっているということですね。

▷ スノーボードとスキーを通して、子どもたちに何を伝えたいですか?

まず大自然の爽快感。それ以上に大きいものは「つながり」です。どんなスポーツでも同じだと思うのですが、怪我等のリスクがあっても何よりも大きいのは「つながり」で、それを活かすことができるかどうかが大切です。

私の場合、ゴルフ場の予約でお客様から連絡をいただくことがありますが、連絡を待つのではなく、できるかぎりこちらから年始等のご挨拶をLINEなどで送るようにしています。都内に行くことがあれば事前に連絡してお客様の所に立ち寄ったりもしています。

▷ スキーやスノーボードを長く続けるコツはありますか?

競技と違って長く続けられるのが指導者のいいところだと思います。ある程度年齢がいってもそこでやめるのではなく、指導する側に移行してもらえばまだまだ活躍の場があります。

ただ私たちが行っている教育の分野も若い層にターゲットを絞りすぎると、私たちの世代、親の世代やミドル世代がごっそり抜けてしまうのが難しいところです。同世代からはもっと活躍してほしいと言われます。40代でも十分にできるゴルフと同じように、簡単にやめてしまうのではなく、幅の広い世代が活躍できればもっと盛り上がると思います。

▷ 今後のビジョンについて教えてください。

今後については正直悩むところです。私は会社員ですが、遠征などで休みを取らせていただいており、会社にはほとんどいないのです。規定内ではありますが、やはりご迷惑はおかけしていると思います。幸い、レッスンしてほしい、教えてほしい、イベントなどの運営をしてほしいといったお声をよくかけていただくので、もっと自由な時間があればやりたいことにフォーカスできるのですが、会社員だと簡単にそういうわけにはいきません。そこが悩みどころでもあります。今、ありがたいことに全日本の監督さんから教育の方のコーチを打診されていますが、コーチは経済的にも時間にも余裕のある人が多く、私のような会社員はほとんどいません。

私たちが今やっているのは、技術を教えるのではなく自分たちが会得した技術を共有して、スノーボードダイバーシティという理論を末端に広げることです。それを踏まえて授業を組んだり、合宿の日程を組んだり、撮影日程を作ったりしています。2年に1回、300人ぐらいのエントリーからデモンストレーターが選出されますが、大会の成績的にも最低15位以内くらいに入らないとなかなか選ばれません。選考会や面接の結果がどんなに優秀でも、最低ライン良い成績を残していなければならないのが厳しいところです。

▷ 日本のスポーツ界に対して何か思うことはありますか?

非常に興味がありますね。野球が好きなのですが、多くの選手がMLBにチャレンジしている中でやはり大谷翔平選手はすごいと思います。自分自身で努力して能力をつけ結果を出し続けています。だからスポーツ選手はすごいと思うのです。全ては自分次第。成長するのも潰れるのも自分次第。自分が怠けたらそこで終わりです。仕事なら誰かがフォローしてくれますし、適当にやっても一生懸命やっても給料はもらえます。でもスポーツは違います。結果を出さないとファンやサポーターは去っていきます。

ですから若い人たちにはスポーツをやらないまでもオリンピック等で活躍している人をぜひ見てほしいです。ドラマがあって人に夢を与えることができるのがスポーツです。スポーツが盛んな国は発展していくと思いますし、関係があまり良くない国同士もスポーツを通して仲良くできるのではないかと思います。

▷ 柴田さん自身がスポーツを通じて人生に生かしていることは何ですか?

様々なことを勉強させてもらっていることでしょうか。会えるはずがないと思っていた方に出会えることで、その価値観を自分に活かすこともできます。また、スノーボードをするためにやらなくてもいいこともコツコツと準備している時、それが自分の生きがいになっている、自分は生きていると感じることがあります。また中国に指導に行く予定があるのですが、「柴田さんがもっと有名になったらもっと人を呼べますよ」と言われるので、もっと頑張らなければなりません。それが自分の活力にもなっています。

▷ 全国の指導者の皆さんにメッセージをお願いします。

もし可能であれば、分野に関わらず、お会いして色々お話しがしたいと思っています。私は常に周りの方々から吸収させていただいているので、お話ができる場があればぜひ参加したいです。インタビューしていただけることもありがたいですし、トップチームのコーチの方から街のコーチの方まで多くの方々と話をする機会があれば嬉しいです。自分が動ける範囲で勉強させていただきたいです。また、私が皆さんのお役に立てる機会があればぜひ協力させていただきたいと思います。(了)

(文:河崎美代子)

◎柴田大さんプロフィール

・ニックネーム:Ooki

・生年月日:1984年3月12日

・出身:山梨県富士吉田市

・職業:会社員

・趣味:ゴルフ、ショッピング

・所属:富士桜カントリー倶楽部、ふじてんスノーリゾート

・資格:ナショナルスノーボードデモンストレーター

    スキー正指導員、スキーA級検定員

    スノーボード正指導員、スノーボードA級検定員 

・成績:2019年「第16回全日本スノーボード技術選手権大会総合8位」 

        :2020年「第7回甲信越ブロックスノーボード技術選手権大会4位」

   :2021年「第8回甲信越ブロックスノーボード技術選手権大会1位」

「第18回全日本スノーボード技術選手権大会総合5位」

「第10回デモンストレーター選考会1位」

ナショナルスノーボードデモンストレーター認定

:2022年「第9回甲信越ブロックスノーボード技術選手権大会5位」

「第19回全日本スノーボード技術選手権大会総合13位」

:2023年「第10回甲信越ブロックスノーボード技術選手権大会7位」

SAJスノーボードデモンストレーター認定

:2024年「第21回全日本スノーボード技術選手権大会総合9位」

:2025年「第22回全日本スノーボード技術選手権大会総合13位」

「第12回デモンストレーター選考会2位」

ナショナルスノーボードデモンストレーター認定

Instagram:https://www.instagram.com/ooki.shibata/

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